ユーザーに見せないテキストやリンク

隠しテキストと隠しリンク

隠しテキストと隠しリンク

クローキングやリダイレクトの解説では、ユーザーと検索エンジンで異なるページに自動的に誘導する行為を禁ずる内容をご案内しましたが、今回の「隠しテキスト・隠しリンク」に関しては、特定のページ内で検索エンジンには見えてもユーザーには見えないもしくは見せないといった手法を制するガイドラインの解説となります。

ガイドライン違反にあたる隠しコンテンツ

  1. 白の背景で白のテキストを使用する
  2. テキストを画像の背後に置く
  3. CSS を使用してテキストを画面の外に配置する
  4. フォント サイズを 0 に設定する
  5. 小さな 1 文字(段落中のハイフンなど)のみをリンクにしてリンクを隠す
  1. 背景色と同色もしくは近しい色でテキストを記載することによってユーザーは気付くことがないテキストコンテンツをページ内に詰め込む行為です。主にはSEO目的でターゲットキーワードを詰め込むために行われているケースが多いですね。
  2. これも同様の目的で行われるケースが多い、テキストを画像で隠す行為です。何らかの理由で画像が非表示になった場合に備えて裏側にテキストを配置するといった、ユーザーを気遣った行為であったとしてもNGです。
  3. CSSの『text-indent: -9999px;』や『display: none;』がこれにあたります。ソース上は存在していてもそのブロックを画面の外に配置する手法ですね。表示する必要がないテキストなら、そもそも書くなということですかね。
  4. 厳密に言うと「フォントサイズを極めて小さく設定する」ですね。ユーザーが見えなければ0じゃなくてもGoogleから指摘が入る場合があるので、一般的なユーザーが読み取れるようなサイズにて設定するようにしましょう。
  5. 誰もが見つけられるようなリンクでなければ、そこにリンクを設置する意義はありませんよね。リンクはひっそりこっそりリンクを設置するのではなく、ユーザーがちゃんと存在を理解できるように設置しましょう。

ポイントは検索エンジンにフォーカスするのではなく、ユーザーのための情報発信であり、ユーザーが見えなかったり、ユーザーに見せなかったりするテキストやリンクを設置しないということです。

隠しテキストとは見なされない例

隠しテキストには一部偽装行為とは見なされない場合もあり、Googleはその例をガイドライン内で述べています。

ただし、隠しテキストがすべて偽装行為と見なされるわけではありません。たとえば、サイトで JavaScript、画像、Flash ファイルといった検索エンジンにとってアクセスしにくい技術が使用されている場合、そのようなアイテムについて説明テキストを使用するとサイトのアクセシビリティが向上することがあります。また、スクリーン リーダー、モバイル ブラウザ、プラグインなしのブラウザ、低速接続環境でアクセスする多くの人間のユーザーもそのようなコンテンツを表示できないため、その場合も説明テキストがあれば役立ちます。

要は一部のユーザーが見ることが出来ない技術を活用しているページで、そういった制限のあるユーザーにも情報を提供するための代替策として説明テキストを使用する場合は偽装行為とは見なされないということですね。とはいえ、ここで述べられているのは前述の手法での実現ではなく、その他の手法によるアクセシビリティの向上を指しています。

アクセシビリティ向上のための手法

画像

画像が表示できないユーザーに画像の内容を伝える場合は、画像の背面にテキストを設置するのではなく、alt属性に説明文を記述するようにしましょう。
SEO観点では、画像の近くに別途テキストにて説明文を設置する方がより有効です。

JavaScript

この項で推奨されている手法は、かつてFlashコンテンツがよく用いられていた頃に乱用され、一部で罰せられたサイトもあったので、使う際は注意が必要ですが、JavaScriptをoffにしているユーザーにページ内の情報を伝える手法として、<noscript>タグ内にJavaScript内のコンテンツと完全に同一となる内容を記述することをGoogleは推奨しています。ただし、「完全に同一」というのが一字一句違わずに記載するのか、90%一致ならOKなのかといった線引きは不明なので、100%一致させる必要があると認識しておいた方が無難です。

動画

動画に関しては、その内容を説明する文章をHTML内にテキストにて記載したり、構造化マークアップにて記述することを推奨していますが、前者はともかく、後者に関しては使い方によってはウェブマスター向けガイドラインに違反する場合もあるので注意が必要です。
こちらに関しては、別の機会に解説しますが今回は割愛させていただきます。